「今日の一曲②」

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 こんにちは。資料室係です。

 先週スタートしたシリーズ「今日(今週?)の一曲」第二回です。

 今回はイタリアの吉田拓郎こと(??)、ルチオ・バッティスティの数ある名曲の中から一曲。

 では第二回「今日の一曲は」、、、




ルチオ・バッティスティ『私の自由の歌(Il mio canto libero)』に決まりました!!




 バッティスティはモーゴルという作詞家の協力を得て1960~1970年代に一世を風靡した歌謡曲界のスーパースターです。「若者たちが海に出てギターを弾きながらバッティスティの曲を大合唱」という光景は当時あちこちで見られたそうです。

 その中でも『私の自由の歌』ははやりにはやった歌でした。
出だしの

 In un mondo che non ci vuole piu' il mio canto libero sei tu//
私たちをもう欲していないこの世界では、あなたこそが「私の自由の歌」だ。
 
そして2番目の出だしの

 In un mondo che prigioniero e' respiriamo liberi io e te//
自由を奪われたこの世界では、私とあなたのふたり自由に息をしよう。


 これは非常に有名なフレーズです。少し意味深な台詞に見えますが、実はバッティスティさん非常に複雑な状況下にあったようです。
 当時、デ・アンドレやデ・グレゴーリのようにフォークシンガーであれば誰でもメッセージソングを歌う時代でした。バッティスティ(モーゴル)が政治的要素を排除した歌(要するにLOVE SONG)ばかりを歌う姿を指して「バッティスティは右翼だ!」なんて言う人もいました。そんなバッティスティがこの世界に嫌気がさして「もう好きに歌わせてよー」というメッセージをこめて歌ったのが『私の自由の歌』ではないのか、と私は考えています。皆さんも気になったら歌詞を見てみてください。

 そんな『私の自由の歌』は、今ではイタリアポップソングを代表する曲になりました。ラウラ・パウジーニなんて方もこの曲をカヴァーしています。ユヴェントスの皆さんもこの曲をカヴァーしています(エース・デル・ピエーロの歌唱力にびっくり!!)。まずはオリジナルを手にしてみて下さい(Pensieri, emozioniに入っています)。

                                  資料室係  K

p.s. バッティスティが気に入ったという方、『3月の庭(i giardini di Marzo)』、『感情(emozioni)』なども名曲なので聞いてみてください。


              日本イタリア京都会館
              http://www.italia.on.arena.ne.jp/