ルネサンスは戦国の世 「敗者の条件」

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近ごろ女性のあいだでも歴史ブームで、特に戦国時代の武将は
アイドル並みの扱いに! まったく女性の趣味は摩訶不思議な
ものです。

その戦国時代を、西洋史家の、というよりむしろ「アローン収容所」
の著者として有名な会田雄次氏が、ルネサンスとの対比で描いたのが
「敗者の条件」です。

一般にルネサンスというと、芸術や学問が花開いた豊かな時代という
印象がありますが、実際には権謀術数・狂瀾怒涛の時代で、十四・
十五世紀のイタリアの有力君主のうち、ベッドの上でおだやかな死を
迎えられたのはわずかに10%と言われています。

この本の中では、例えば美濃の斉藤道三とミラノのイル・モロが
共に「一匹狼に徹しなかった者」として、敗者の1パターンとして
描かれています。

他には
 「最後の賭けをためらう者」サヴォナローラフィレンツェ領主)
 「欠点のない者」高山右近キリシタン大名
 「性に執着する者」ルクレツィア(チェーザレ・ボルジアの妹)
などなど、歴史本ではなかなか主人公にはなりえない「敗者」たち
がいかにして「敗者」となったか、冷徹な視点と筆跡で描かれてい
ます。

大阪資料室に置いてありますので、ぜひご一読ください。


                    日本イタリア京都会館
              http://www.italia.on.arena.ne.jp/