ワインの産地として知られるBardolinoから九十九折の道が山に向かって
続いていて、その終点に教会のマークがあり、小さい字で"Eremo"という
地名が記されていました。
"Eremo"については何も予備知識はなかったのですが、「湖のすぐそばで、
教会のある山の頂上であれば、きっと眺めの良い場所に違いない」と
思い立ち、Peschieraから湖岸沿いを北上し、Eremoを目指しました。
Bardolino近辺で山に入る道を調べていたところ、地元のおじさんサイクリスト
が声をかけてくれ、「分岐点まで案内するから、着いて来なさい」と親切に
言ってくれて、彼の絶妙なペースに引かれて分岐を目指しましました(画像1番上)。
「さあ、ここが登り口だよ」と教えてくれた道は、斜度10%を優に超える
急な坂道。なんとか登りきり、ぶどう畑の間をぬって行くと、途中から
未舗装の荒れた道になりますが(画像2番目)、もう近くに目指すEremoの
建物が見えるのでそのまま進むことに。
着いて見ると、かなり由緒のありそうな修道院で、外から中の様子はまったく
見えず、入るには小さな玄関をくぐって行かなければならないよう。自転車用の
ビンディングのついた靴では歩き回ることはできないので、残念ですが、そこで
引き返すことにしました(画像3番目)。
後日、Eremoについて調べると、そもそも"Eremo"とはここに限らずイタリア各地に
点在する地名であり、その意味するところは「隠修士の住居」。修道士の中でも
特に厳しい修業を自らに課す者が、独り外界と隔絶し、修業に専心する場という
ことです。
今でこそ観光客も受け入れるようになっていますが、その佇まいにはいまだに
厳しさが漂っています。それでいながら対照的な周囲の風景の柔らかさが印象に
残りました。(画像4番目)
日本イタリア京都会館
http://italiakaikan.jp/