『大人の味がわかる夜』第4回目

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『大人の味がわかる夜』4回目は「イタリア中南部の食とワイン」です。
今回はセミナーの中からラツィオ州についてご紹介いたします。
さて、何かと大都市ローマのイメージが強いラツィオ州ですが、もともとは田園風景の中に羊飼いがたくさんいる地域でした。したがって、ラツィオの伝統料理にもよく羊が使われています。中でも仔羊は好んで食され、rigatoni con la pajataという羊のモツを使ったパスタもその代表料理の一つです。まだ母乳しか飲んだことのない仔羊の腸はミルキーで草食動物特有の臭みがなく、リガトーニという太目のパスタにうまく絡まり、円やかな味わいを醸し出しています。また、この地方のbucatini all'amatriciana(写真上)は、日本のナポリタンスパゲティの原型となったと言われています。さらに、ローマには古代からのゲット-地区(ユダヤ人居住区)があり、油を用いた料理、アーティチョークの油揚げやヒダラの揚げ物といったユダヤ料理もローマの伝統料理として今では根付いています。
一方、この地方のワインといえば酸が少なく甘口の白ワインが多いのが特徴で、肉料理にも白ワインが良く飲まれています。有名なのはEst!Est!!Est!!!di Montefiascone(写真下)。ドイツの騎士フッガーの従者マルチンがフィアスコーネ山で飲んだワインがあまりに美味しかったので"Est!(ある!) Est!! Est!!!"と壁に書き残した、のがこの名の由来だとか。
最後に、ローマ人は味が良ければそれで良し、食材やワインに関して細かいことには拘らないという気質だそうです。ワインも年代や銘柄うんぬんなんて言ってはいけません。ワインと言えば、赤か白それ以外はありません。

写真は、
ブカトーニ・アラ・アマトリチャーナナポリタンスパゲティの原型)
エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ(ワイン)
(※こちらは試食としてのご提供はしておりません)

《試飲・試食》提供:ワイングロッサリー
マシャレッリ(ワイン)
フランスパンとアーティチョーク

次回は「イタリア島々の食文化とワイン」です。どうぞお楽しみに。