『高級娼婦と芸術家のビミョウな関係』セミナー

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『高級娼婦と芸術家のビミョウな関係~謎の美女アンテアとその周辺~』セミナーを11月6日(土)阪南大学教授で文化史家の松本典昭先生を講師にお招きして開催いたしました。


マニエリスムの画家として16世紀に活躍した画家パルミジャニーノによって描かれた「貴婦人の肖像」(写真)は、高級娼婦で謎の美女と言われたアンテアなのか?

当時のローマでは、女性人口の何と2割が娼婦として働いていたそうですが、そのグレードもピンからキリまであり、花代はアンテアクラスの高級娼婦ともなると30スクード(現在の価値に換算するとウン十万円)もするそうです。

松本先生のお話によると、この肖像はV字型に切り込まれた胸元から高級娼婦(コルティジャーナ)であることはほぼ間違いないようですが、この若き天才画家パルミジャニーノに、アンテアをモデルとして描くことほどの財力があったのかどうか?どうやら知人のアレティーノを通して、パルミジャニーノとアンテアが知り合ったらしいというところまでは推測できるようですが、それから先は今も謎に包まれたままです。もちろん恋仲になれば金銭面は度外視できるのですが、こればかりは本人らに直接聞いてみる以外ありません。


ところで、ルネサンスが「現実の美」を追求したのに対し、このマニエリスムは「現実を超える美」=「優美」、つまり非現実的な美を追求していたそうです。そういう観点でもう一度、この「貴婦人の肖像」を見てみると、均整が取れすぎていて、どことなく現実離れした美しさが・・・・。
 


この「貴婦人の肖像」が展示されているカポディモンテ美術館展をご覧になられたい方は京都文化博物館へお急ぎください。12月5日(日)まで