こんにちは。今日は少し、私の思い出を語らせてください。
私は高校生のころ一年間イタリアで過ごしました。そのとき仲良くなって、今でも親友といえる人がいます。ダーリオといいます。
私が通っていたのは芸術高校(ステイ先に一番近かったからというのが理由)でした。そこには、お勉強ができないという理由で通う人や将来の目標がないという人まで様々な学生がいました。そんな中ダーリオは本気で芸術家になろうという目標を持ってその学校に通っていた稀有な人物でした。かれの専門はデザインでしたが、チャイコフスキーを愛する音楽家という一面も持っていました。
そんな彼に去年久しぶりに会いました。私が最近ファブリツィオ・デアンドレを始めとするイタリアンフォークを聴いているというと、彼はピアノである曲を弾き語ってくれました。その歌声とピアノの旋律は今でもはっきりと耳に残っています。
ということで前フリが長くなりましたが、今週の一曲はそのときダーリオが弾き語ってくれた曲です。
ルイージ・テンコ 『Vedrai vedrai(みるだろう、みるだろう)』
ルイージ・テンコは今まで紹介したジーノ・パオリ、ファブリツィオ・デアンドレなどと交友のあったカンタウトーレのひとりで、なんといってもサンレーモ音楽祭の最中で自殺した(といわれている)ことで有名です。
彼の曲のテーマは恋愛が多く、くらーく、悲しい曲調がほとんどです。そんなテンコの美しく悲しい音楽を代表するような曲がこの『vedrai vedrai』です。彼女(?)とのままならない生活を歌ったこの曲はシンプルな歌詞と美しい旋律で心に訴えてきます。
この私の思い出の曲、皆さんも是非聴いてみてください。
日本イタリア京都会館
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