こんにちは。資料室係です。
わたしがここ一年よく聴いている歌手がいます。リーノ・ガエターノといいます。ガエターノは1981年30歳という若さでこの世をさり、8年間の短い音楽活動に終止符を打ちました。しかし、かれがイタリア音楽界に残したインパクトは強烈で、ロック、スカ、レゲエ、様々なジャンルを取り込み新しい時代のイタリアン・ポップの先駆者となりました。
1978年のサンレーモ音楽祭で3位に輝いた『ジャンナ』は特に有名で、サンレーモ音楽祭後の数週間この曲はヒットチャートで1位の座をキープし続けました。そんな不遇の天才リーノ・ガエターノから今週の一曲を・・・・
リーノ・ガエターノ『ぼくの兄さん(弟)は一人っ子』
この曲の原題は"Mio fratello e' figlio unico"ですので、fratelloが兄さんなのか、弟なのかはわかりません。しかし、自分が兄弟であるという前提を考慮すると、兄さん(弟)が一人っ子であるはずないですよね。なぜ「ぼくの兄さん(弟)は一人っ子」なのでしょうか。よく答えがわからなかったのでイタリア人の友達に聞いてみると「これはタイトルにはあまり深い意味はないんじゃない」といわれました。
歌詞は「ぼくの兄さん(弟)は一人っ子、というのも、」と理由を連呼していく内容です。最後のサビの部分になると「ぼくの兄さん(弟)は一人っ子、というのもかれは搾取され踏みつけられ嫌われているんだ」というフレーズがあり、自分の兄弟が社会的弱者であることがわかります。
でも結局なんで一人っ子なのかはよくわかりません。わかる方がいたら教えてください。
こうした社会的なメッセージをこめた詩をシンプルな曲にのせるシンガーソングライター。新しい音楽に敏感でセンセーションを巻き起こしながら、若くして逝去したリーノ・ガエターノ。そんなかれを、わたしは「イタリアのジョン・レノン」と勝手に呼ばせていただいています。両方のファンから苦情が届きそうですので、わたしはジョンもリーノも大好きですと断っておきますね、、。
とにもかくにもこの『ぼくの兄さん(弟)は一人っ子』、みなさんも是非いちど聴いてみてください。
資料室係・K